ポップな縁切りの本光寺です!
ビニール傘と環境問題:3年後の思い
皆さま、こんにちは。縁切寺本光寺の住職です。2021年10月に本光寺で開催した「ビニ傘無駄買い縁切り祈願法要」から、早くも3年が経ちました。この間、私たちの身の回りには多くの変化がありましたが、ビニール傘を取り巻く問題は依然として私たちに深い考察を促すテーマとなっています。
変わりゆく気候と私たちの行動
10月は、雨の多い季節として知られてきました。気象庁のデータによれば、東京では過去10年間で最も雨量が多い月となっています。しかし、近年の気候変動の影響で、天候の予測が一層難しくなっています。突然の豪雨や、逆に長期の乾燥など、極端な気象現象が増加しているのです。
このような不安定な気候の中で、私たちの傘に対する態度も変化せざるを得ません。常に傘を持ち歩くことが賢明ですが、同時に、その傘の選び方や使い方にも注意を払う必要があるのです。
ビニール傘の現状と環境への影響
日本では、年間約1.3億本もの傘が消費されています。そのうち約8000万本、実に6割以上がビニール傘です。この数字は、世界でも類を見ない高さです。便利で安価なビニール傘は、突然の雨にも躊躇なく購入でき、忘れても気にならない、という利点があります。しかし、この便利さの裏には大きな環境問題が潜んでいるのです。
ビニール傘の多くは、使い捨て感覚で扱われ、簡単に廃棄されています。プラスチック製品であるビニール傘は、自然界での分解に数十年から数百年もの時間がかかります。そのため、廃棄されたビニール傘は長期にわたって環境に悪影響を及ぼし続けるのです。
海洋に流出したプラスチックごみは、海洋生物に深刻な被害を与えるだけでなく、マイクロプラスチックとなって食物連鎖に入り込み、最終的には人間の健康にも影響を及ぼす可能性があります。また、埋め立てられたプラスチックごみからは温室効果ガスが発生し、地球温暖化を加速させる要因ともなっています。
リサイクル技術の進展と課題
ここ数年で、ビニール傘のリサイクル技術にも進展が見られます。一部の地域では、傘を分別して再利用する取り組みが始まっています。例えば、傘の骨組みを分離して金属としてリサイクルしたり、傘の布地を別の製品の原料として活用したりする試みがなされています。
しかし、ビニール傘のリサイクルには依然として課題が多いのが現状です。傘の構造が複雑で、素材が混在しているため、完全な分別が難しいのです。また、リサイクル設備の整備にはコストがかかるため、全国的な展開にはまだ時間がかかりそうです。
環境への配慮と「ビニ傘貧乏」
最近では、「ビニ傘貧乏」という言葉をよく耳にするようになりました。これは、安価なビニール傘を繰り返し購入することで、結果的に出費が嵩むことを指す言葉です。しかし、この言葉には単なる経済的な意味合いだけでなく、環境への配慮が足りない行動を指す意味合いも含まれるようになってきました。
私たちが選ぶものやその使い方を見直すことで、少しでも地球に優しい選択をしていけるはずです。例えば、耐久性の高い傘を選んで長く使う、折りたたみ傘を常に携帯する、傘のシェアリングサービスを利用するなど、様々な選択肢があります。
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これからの道:持続可能な社会に向けて
ビニール傘問題は、私たちの日常生活や消費行動に深く関わっています。この問題を通じて、自分自身や周りの環境について考える機会になればと思います。そして、次世代に美しい地球を残すために、一緒に努力していく必要があるのです。
個人の小さな行動の積み重ねが、大きな変化を生み出します。例えば、傘を大切に使い、修理して長く使うことや、環境に配慮した素材の傘を選ぶことなどが挙げられます。また、雨の日には公共交通機関を利用するなど、傘の使用そのものを減らす工夫も効果的でしょう。
企業や政府の取り組みも重要です。環境に優しい素材を使用した傘の開発や、効率的なリサイクルシステムの構築、使い捨てプラスチック製品の規制強化など、様々なアプローチが考えられます。
3年前の法要は、この問題について皆さまと一緒に考える貴重な時間でした。その時の思いを忘れることなく、これからも環境問題に対する意識を高め続けていきたいと思います。
私たち一人ひとりが、日々の生活の中で環境のことを考え、行動することが、持続可能な社会の実現につながります。ビニール傘との付き合い方を見直すことは、その第一歩となるでしょう。
本光寺では、これからも環境問題に関する様々な取り組みを行っていく予定です。皆さまと共に、より良い未来を築いていけることを願っています。どうぞ、これからもお力添えをよろしくお願いいたします。
最後に、本光寺の縁切りの神様「源三位頼政和光尊儀」にお願いをする際には、ビニール傘との不要な縁も切れますように、とお祈りしてみてはいかがでしょうか。環境に優しい行動への第一歩として、きっと良いご縁に恵まれることでしょう。