フードロス削減祈願法要から2年：深まる問題意識
皆さま、こんにちは。お元気でお過ごしでしょうか。2022年2月に行った「フードロス削減祈願法要」から、早くも2年が経ちました。この間、私たちの周りでフードロスの問題に対する意識が少しずつ高まってきているように感じます。しかし、まだまだ課題は山積みです。今回は、最新のデータを交えながら、この問題について改めて考えてみたいと思います。
フードロスの現状：驚くべき数字の裏側
最新の環境省の発表によると、令和3年度の日本の食品ロス量は約523万トンと推計されています。これは、一人一人が毎日茶碗1杯分のご飯を捨てている計算になります。この数字を聞くと、心が痛む方も多いことでしょう。
私たちの食卓には、多くの命が関わっています。農家の方々の汗の結晶、流通に携わる人々の努力、そして生き物たちの尊い命。それらすべてが、私たちの口に運ばれるまでに存在しているのです。
事業系と家庭系のフードロス：両輪での取り組みが必要
食品ロスの内訳を見てみると、事業系が約279万トン（53%）、家庭系が約244万トン（47%）という結果が出ています。以前は事業系の割合が若干多かったのですが、最近では家庭系の割合が増えてきています。これは、コロナ禍による外食機会の減少や、在宅時間の増加が影響しているのかもしれません。
家庭でも多くの食品が無駄になっていることを考えると、私たち一人一人の行動が非常に重要だと感じます。同時に、事業者の方々の取り組みも欠かせません。両輪でこの問題に取り組んでいく必要があるのです。
若者の皆さんへできること：小さな行動から大きな変化へ
若い世代の皆さんには、ぜひ以下のようなことを意識していただければと思います。
1. 買い物を工夫する
- 必要なものだけを購入することで、無駄を減らせます。冷蔵庫の中身をチェックしてから買い物に行くのも良いでしょう。
- 賞味期限や消費期限をしっかり確認し、計画的に使いましょう。
- 「3分の1ルール」という業界慣行があることを知っておくと良いでしょう。これは、製造日から賞味期限までの期間を3等分し、製造日から1/3の期間を納品期限、2/3の期間を販売期限とする取り決めです。この慣行により、まだ食べられる食品が廃棄されてしまうことがあります。
2. 食事の時に心がけること
- お皿に盛る量を見直し、食べ残しを減らす努力をしてみてください。
- 食事前に「いただきます」と言うことで、命への感謝を感じることができます。この言葉の意味を深く考えてみるのも良いでしょう。
3. 食材を大切に扱う
- 野菜の皮や茎も活用するレシピを試してみませんか？例えば、大根の葉っぱを炒め物に使ったり、ブロッコリーの茎をスープの具材にしたりできます。
- 冷蔵庫の整理整頓も大切です。使い切れる範囲で計画的に購入しましょう。「FIFO（First In, First Out）」の原則を意識し、先に入れた食材から使うようにしましょう。
4. 外食時に配慮する
- 食べきれる量を注文し、余った料理は持ち帰りましょう。最近では多くの飲食店がドギーバッグ（持ち帰り容器）を用意しています。
- お店で「少なめにしてもらえますか？」とお願いすることも、大切な一歩です。恥ずかしがらずに伝えてみましょう。
5. 周囲への啓発活動
- SNSなどでフードロス削減について発信してみましょう。自分の取り組みを共有することで、周りの人の意識も変わるかもしれません。
- 地域のフードバンク活動に参加することで、助け合いの輪が広がります。食品ロスを減らすだけでなく、食料支援を必要としている人々を助けることにもつながります。
命を頂くことへの思い：「いただきます」の深い意味
私たちが食事をする際には、多くの命が関わっています。そのことを思い出すことで、一口一口がより大切なものになるでしょう。「いただきます」の言葉には、感謝と敬意が込められています。
この言葉は、単なる挨拶ではありません。食材となった動植物の命、それを育てた農家や漁師の方々、調理してくれた人への感謝の気持ちが込められているのです。この言葉を唱えるとき、私たちは食べ物とそれにまつわるすべてのものに対して感謝の念を表しているのです。
未来への希望：持続可能な社会を目指して
フードロス問題は簡単には解決できませんが、若い世代の皆さんが意識を持ち行動することで、大きな変化につながるはずです。一人一人が「もったいない」という気持ちを持ち続けることで、持続可能な社会へと近づいていけるでしょう。
日本には「もったいない」という素晴らしい言葉があります。この言葉には、物を大切にする心、感謝の気持ち、そして環境を思いやる精神が込められています。この「もったいない」精神を現代に活かし、フードロス削減に取り組んでいくことが大切です。
また、フードロス削減は環境問題だけでなく、社会問題の解決にもつながります。例えば、食品ロスを減らすことで、飢餓に苦しむ人々への支援にもつながる可能性があります。私たち一人一人の小さな行動が、大きな変化を生み出す可能性を秘めているのです。
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これからも共に考え、行動していきましょう。フードロス削減の取り組みは、私たちの日々の生活に根ざした身近なものです。難しく考えず、できることから少しずつ始めていきましょう。そして、その取り組みを周りの人々と共有し、輪を広げていってください。
最後に、本光寺の「源三位頼政和光尊儀」にもフードロス削減のお願いをしてみてはいかがでしょうか。縁を切るだけでなく、新しい縁、つまり食べ物との良好な関係を結ぶきっかけになるかもしれません。
皆さまの日々の生活に、感謝と思いやりの心が溢れますように。そして、その心が食品ロス削減につながりますように。どうぞよろしくお願いいたします。