先日、驚くべき調査レポートを発見しました。それは残業時間が長すぎると、人間の幸福度は上がってしまうというものです。
出展:パーソル総合研究所・中原淳(2017-8)「長時間労働に関する実態調査(第一回・第二回共通)」
大まかに言って月に60時間までは、残業時間が増えるほど幸福度が下がっていきます。ここまでは分かりやすい話ですが、そこを超えると幸福度が上がっていきます。
これはちょっと怖い話です。理由としてまず考えられるのは、仕事が大好きな人たちの存在です。趣味が仕事というか、仕事が趣味というか。とにかく働けば働くほど、幸福感が増す人はいるでしょう。
そしてもっと多そうなのは、仕事中毒状態に陥っている人です。みんなが残業しているから自分も残業を続ける、ある種の逃げ場のない連帯意識は、高揚感を生み出します。
しかしこうした人たちは好きでやっているから良いのかと言えば、そこには疑問が生じます。まず一つは労働時間が長すぎると、有意に健康が損なわれることです。
同じくパーソル総合研究所からの出展ですが、残業時間が長すぎる人は重篤な病気・疾患を持つ割合が2倍近くも増えています。他にも食欲が落ちたり、強いストレスを感じたりと、健康には圧倒的に悪そうです。
そして同調査では、残業は遺伝するという指摘もされています。
残業時間の長い上司は、同じく残業時間の長い部下を評価し、それが連鎖的に続きがちです。さらに働く時間の長さが成果や個人の成長につながっているかと言えば、そこにも疑問が提示されています。
残業60時間以上の従業員は、仕事量はこなしているものの、「上司や同僚からのフィードバック機会」、「内省化機会」「職場外学習の機会」といった成長機会が大きく損なわれることが明らかになっています。
つまり長すぎる残業時間は、人間の正常な幸福感性をマヒさせます。これは個人にとってはもちろんながら、社員が成長しないうえに身体やメンタルを壊して療養状態に入りやすくなるなど、企業にとってもマイナスです。
そんな状態なのに幸福感だけ増していくとか、皮肉にもほどがありますよ。
そこで今回は前回の『有給休暇取得祈願法要』と同じく、休むことへの罪悪感や忙しさが持つ優越感と縁切りすべく、『定時退社促進祈願法要』を開催します。
まあ、そんなに肩ひじ張らずに、まずはお寺に変な法要があったよと話題にして頂けるだけでも、社会の空気は変わっていくので、職場での雑談などにお使いください。そして特に8/8(早く休もう)はお寺に来られなくても、ささっと会社を抜け出してくださいませ。
定時退社促進祈願法要の中身
日時 :2019年8月8日(木) 15時00分から法要開始(14時30分開場)
会場 :本光寺(JR武蔵野線「市川大野駅」下車、徒歩3分)
参加費 :無料(かわらけ割りをされる方は500円)
対象 :定時退社、残業抑制問題に悩む方、関心のある方
予約 :不要
当日は思わぬものとの縁切りが決まる『縁切りダーツ』や、縁を切りたい自分の弱さを書いて割る『かわらけ割』も行えます。
どなたでもご参列頂けますので、よろしければぜひお越しください。
本光寺の地図はこちらです。