本光寺の月替わり縁切り法要の皮切りとなった『有給休暇取得祈願法要』。こちらは働き方を取材するメディアの方が来られたり、わざわざ三重から参加される方がいたりと、注目を集めました。
ものすごくインパクトのあった、参拝者が書いて割ったかわらけがこちらです。
そしていよいよ本光寺でも、7月から寺務職員さんの有給休暇制度がスタートします。企業にとっては当たり前ですが、いろんな経緯もあって日本のお寺ではまだまだ珍しかったりします。
まあ、こんな法要を行っていて、自分のお寺で有給休暇を取らせないなんておかしな話ですしね。住職も制度導入のためにものすごく頑張ったようです。一体、どのようなものと縁切りして実現させたのでしょうか。
「縁切り法要は、私自身が一番自分と向き合う時間になっている」と、毎回のように仰られていますし。
ということで、今回はこの有給休暇取得祈願法要を行うことになりました~。
有給休暇取得の義務化について
少しおさらいですが、2019年4月より年間に有給休暇を5日以上取得することが義務化されました。
そもそも日本の有休取得率は、世界最低レベルです。エクスペディア・ジャパンの調査によれば、日本の有休取得率、有休取得日数はともに世界最下位でした。
(あと、有給休暇の取得に罪悪感を持つ方の割合もワースト1位)
そしてこれから夏休みシーズンが始まりますが、有給休暇義務化を渋る企業が今まで設定していた夏休みをなくして有給休暇に当てることで、制度の骨抜き化を図るのではないかといった心配も取りざたされています。
弁護士ドットコムによれば
指摘されている企業の手法は、これまでの所定休日を労働日に変更し、その労働日を有休として時季指定するというものです。
しかし、これでは実質的な有休増加にはつながらないため、この手法が改正法の趣旨に照らして望ましくないことは明らかです
(中略)
このような変更は無効となる可能性が高く、結果、その企業は有休の時季指定義務を果たしていないとして、法律違反に問われるリスクが生じることになります
と、言われています。
そんなわけで、そんな話はまかり通らんわけですが、正しい理念がいつも通用するとは限らないのも世の中です。
ついでにJIJI.COMによれば、
年10日以上の有休が与えられる従業員に最低年5日の取得を義務付けたことに関して、日数が十分かどうか聞いたところ、「十分ではない」48.6%、「十分だ」35.6%、「分からない」15.8%という結果だった。
という、調査結果もあります。
5日間は義務とされていますが、本来それは最低限の話。もちろんもっとたくさん取得することも、働く人の権利なわけですね。
なのでこうした法要は単発ではなく、定期的に開催してメッセージを発信していくことに意義がありますし、半年ぶりに有給休暇取得祈願法要を行っていきますよ!
有給休暇取得祈願法要の中身
日時 :2019年7月15日(月・祝) 15時00分から法要開始(14時30分開場)
会場 :本光寺(JR武蔵野線「市川大野駅」下車、徒歩3分)
参加費 :無料(かわらけ割りをされる方は500円)
対象 :有給休暇を取りたい方、有給休暇が取れない問題に関心のある方
予約 :不要
本光寺の尾藤住職は世界三大荒行の一つ、日蓮宗の百日大荒行を4回も成満されたお坊さんです。
この修行は真冬に100日間ぶっ続けで一日7回水行を行い、睡眠時間は毎日2~3時間しかないという過酷な行です。
修行が終わった時には体重が12キロも減ったとのことで、肉体的な負荷だけで言えばブラック企業も真っ青です。ですがそれだけに集中して働く大切さや休むことの意義も、誰より身体で感じ取っています。
そんなお坊さんがご本尊の前でお経を唱えて、人々の「有給休暇」を取りたい気持ちを仏様にお伝えくださり、社会的に休む意義をも説いていきます。
当日は思わぬものとの縁切りが決まる『縁切りダーツ』や、縁を切りたい自分の弱さを書いて割る『かわらけ割り』も行えますよ。
どなたでもご参列頂けますので、よろしければぜひお越しください。
本光寺の地図はこちらです。
なお、8月はそもそも毎日の働き方を見直そうと、『定時退社祈促進願法要』を行います。