現代社会では、パチンコ、パチスロ、競馬、競輪、競艇といったギャンブルは、身近な娯楽として多くの人々に親しまれています。しかし、その楽しみが時に依存という形で私たちの生活を蝕むこともあります。ギャンブル依存に苦しんでいる方々にとって、脱却の道は決して平坦ではありません。やめたいと心から願っていても、その誘惑に抗えず、再び手を出してしまうという悩みは、決して少なくありません。そんな方々に寄り添い、心の平穏を取り戻すための方法について、縁切寺としての役割を持つ本光寺からお話しさせていただきます。

依存との向き合い方：心と体のバランス

ギャンブルをやめたいと強く思っているにもかかわらず、やめられないというのは、多くの場合、心と体のバランスが崩れていることが原因です。ギャンブル依存は、脳内で快楽を司る部分に強く影響を与え、無意識のうちにその快感を求めてしまうようになります。それが結果的に、負け続けてもギャンブルをやめられないという悪循環を引き起こします。

本光寺では、「医者法者」という言葉を大切にしています。この教えは、病院での専門的な治療（医者）と寺院での精神的なケア（法者）の両立が、ギャンブル依存からの解放には不可欠であるという考え方に基づいています。つまり、体の治療だけではなく、心の平穏を保つための精神的な支えが必要なのです。

依存から抜け出すためには、まず専門の医師の助けを得ることが重要です。

ギャンブル依存症は、他の依存症と同様、専門的な治療が必要な病です。「自力でなんとかなる」と思い込み、治療を受けずに我慢するのではなく、専門の医師による治療を受けることで、初めて根本的な解決に向かうことができます。

自分自身の目的を見つめ直す

ギャンブルをやめるための第一歩は、「なぜギャンブルをやめたいのか？」という問いを自分に投げかけ、その答えをしっかりと見つめ直すことです。それが「家族のため」や「健康のため」であれば、その目標を常に心に留め、迷ったときにはその目的に立ち返ることが大切です。自分自身の人生の目的を見失わないように、日々の生活の中でその答えを確認していきましょう。

やめるというプレッシャーからの解放：「お休みする」というアプローチ

多くの方が、ギャンブルを「やめる」と決意したとき、強いプレッシャーを感じることがあるかもしれません。「もう二度と手を出さない」と自分に誓ったものの、その誓いが重圧となり、ストレスがたまり、そのストレスが再びギャンブルへと向かわせてしまうこともあります。このように「やめる」という決意が逆効果となってしまうケースも少なくありません。

そこで、本光寺では「やめる」代わりに「お休みする」という考え方を提案しています。完全にやめると考えるのではなく、一時的にお休みするという柔らかなアプローチです。こうすることで、心に余裕が生まれ、プレッシャーから解放されます。そして、たとえ途中でまたギャンブルに手を出してしまったとしても、自分を責めずに「またお休みを再開すればいい」と前向きに捉えることができます。

縁切りの神様に祈りを捧げることの意味

ギャンブル依存からの脱却は、決して簡単な道のりではありません。時には、自分の力だけではどうにもならないと感じることもあるでしょう。そんなときこそ、縁切りの神様に祈りを捧げ、心の支えを求めることが大切です。

神仏に祈りを捧げることは、決して弱さを認めることではありません。むしろ、自分の限界を受け入れ、助けを求めることで心が軽くなり、前進する力が湧いてくることがあります。縁切りの神様は、あなたがギャンブルという苦しみから解放され、健やかな日々を送れるよう、いつも見守ってくださっています。その力を借りることで、心の重荷が少しでも軽くなるなら、どうか遠慮せずに神仏の力に頼ってください。

依存症からの回復：三つの力を合わせて

最後に、ギャンブル依存症を克服するために重要な三つの力についてお話しします。それは、医師の力、あなた自身の意志、そして縁切りの神様の力です。この三つの力が合わさることで、依存症からの回復は現実のものとなります。

まず、専門の医師から適切な治療を受けることが第一歩です。次に、あなた自身の「ギャンブルをやめたい」という強い意志を再確認し、その目的に向かって進んでいくこと。そして、最後に、縁切りの神様の力を借りながら、自分を大切にし、無理のないペースで歩んでいくことが、成功への鍵となるでしょう。

ギャンブル依存からの解放は、一日で達成できるものではありません。しかし、毎日の積み重ねが、やがて大きな変化をもたらします。どんなに小さな一歩でも、その一歩一歩が未来への道を切り開いていくのです。

私たち本光寺は、あなたの心の平穏と幸せを心から願っています。どうか、焦らず、ゆっくりと、自分のペースで歩んでいってください。縁切りの神様と共に、私たちもあなたを見守り、支えてまいります。