縁切りをポジティブなものにする意味

ぴかりん住職 縁切り寺コラム
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ぴかりん住職

縁切りマイスターのほーりーです。私の連載コラムでは、縁を切りたい対象との向き合い方を紹介します。

そもそもですが、多くの方は始めることには好感を持ちますが、やめることは敬遠しがちです。

逃げる、別れる、終わる、諦めると言った言葉はマイナスなものと思われていますし、「縁切り」のドロドロとしたイメージも、その延長上にあるのかもしれません。

しかしこうした終わりを積極的に選べない社会では、個人・組織を問わず誰の目にも失敗と分かるものを、いつまでも続けがちです。

例えばよく言われるのは、太平洋戦争です。国力に明らかな差がある戦争をやめることができず、悲惨な結末に終わったのはご承知の通りです(戦争そのものの非人道性については、ここでは述べませんが)。

またもっと身近なものとして、これは恋愛でもよくある話です。一度は付き合ったものの、2カ月以上も彼氏から連絡が来なくなってしまった。これは自然消滅なんでしょうか? という相談を、私は受けたことがあります。

その時にお伝えしたのは、相手にこれ以上連絡が取れないなら、私は次の相手を探しますと宣言してください、というものでした。

相手からそのうちに連絡が来るかもと、ずっと待っていても時間だけが過ぎていきます。感情で簡単に割り切れるものではないでしょうが、どこかでスパッと切り替えることは大切です。

仕事でも、似た話は多いでしょう。これも有名な話ですが、コダックと富士フイルムの比較があります。

デジタルカメラが普及する前、カメラのフィルムを製造してこの2社は世界的な企業に成長しました。しかしフィルムが要らないカメラが登場した後、両社はまったく反対の方へと進みます。

あくまでフィルム作りに邁進したコダックは破綻し、フィルム製造の技術を化粧品などに応用した富士フイルムは生き残りました。

社名に関したフィルム事業から大きく転換したわけですから、富士フイルムの経営者や社員にとっても苦渋の決断だったでしょう。

しかしその転身の速さが身を救い、次のステージへと進んだわけです。

縁切りをポジティブなものにする意味

続けること、諦めないことは美徳です。ここではそれを否定する気はありません。

ですが個人でも会社でも、時にはやめる勇気が次へとつながることもあります。特に日本では、このやめる勇気への理解が乏しいと、私は考えています。

そして一度始めるとやめられないが故に、失敗を怖れて新しいことにも踏み出せなくなります。そこでこの本光寺縁切り寺プロジェクトでは、もっとやめよう、さっさと逃げようというメッセージを込め、明るくポップな縁切りを行うことにしました。

例えばダーツで決める縁切りは、その一つです。縁を切る対象がランダム(あるいは神様・仏様が指し示してくださったものかもしれませんが)になり、自分が考えてもいなかったものと縁を切りなさいと言われると、それは生活の見直しになります。

zyusyokuが身近な題材を例に、様々な縁切り活用法をコラムにしているのも、小さな判断の積み重ねが生活を改善すると考えているためです。

縁切りが苦手な人や組織は、終わった恋をいつまでも引きずったり、仕事で新しいことにチャレンジしたりができません。

まずは縁を切ることに、ポジティブになろう。それが人生を好転させるための第一歩です。

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